日本で満年齢の概念が正式に法制化された歴史は思いのほか古い。明治35年(1902年)、明治天皇の治世下に制定された「年齢計算ニ関スル法律」がその出発点だ。それまでの日本社会では数え年が一般的であり、戸籍管理や兵役の徴集、統計の整備において大きな混乱が生じていたため、欧米の基準に合わせた統一ルールが必要とされたのである。
法務省の管轄下で維持されてきたこの法律には、現代人の感覚からすると一見不思議な規定が含まれている。それは「誕生日の前日午後12時(24時)をもって加算する」という原則だ。つまり、人は誕生日の当日に歳をとるのではなく、誕生日の前義が終了する瞬間に1歳年をとると法律上定義されている。4月1日生まれの子どもが「早生まれ」として前年度の学年に組み込まれるのも、この法規に基づき3月31日24時の時点で加齢が成立するためである。