ネットや街頭で長年語り継がれてきた「のび太が病室で見ている夢だった」「電池切れになったドラえもんを成長したのび太が修理する」といった噂は、ファンが作った創作であり公式の結末ではない。作者である藤子・F・不二雄が実際にペンを執った「最終回」は、まったく異なる感動的な伏線とドラマに満ちている。
進級時期に合わせて描かれた『さようなら、ドラえもん』では、道具に頼らず自分の力でジャイアンに立ち向かう野比のび太の気迫が描かれた。去り行くドラえもんを安心して未来へ送り返すための涙の決断と、その直後に訪れる「ウソ800」を使った奇跡的な再会。計算し尽くされた伏線回収の美しさは、漫画史に燦然と輝く名場面だ。