SNSやインターネット上の言説では、竹島問題に関して感情論や誤った認識が散見されます。法的な事実関係を整理し、代表的な3つの誤解を是正していきます。
誤解1:「不法占拠が何十年も続けば自動的に韓国領になる(時効取得)」という誤り
国際法には、一定期間ある土地を実効支配し続けることで主権を獲得する「時効取得」の概念が存在します。しかし、時効取得が成立するためには「他国からの異議申し立てがなく、平穏かつ公然と占有が継続したこと」が絶対条件となります。
日本政府は1952年の李承晩ライン宣言直後から現在に至るまで、韓国側の不法な措置に対して公式の外交ルートで抗議を一度も途切れさせることなく行い続けています。このように権利の保全手続きを継続している以上、国際法上、韓国による時効取得が成立する余地は法的に存在しません。
誤解2:「日本が国際司法裁判所(ICJ)に単独提訴しないのは自信がないから」という誤謬
「なぜ日本は単独で裁判を起こさないのか」という疑問もよく見られます。国際司法裁判所(ICJ)において裁判を行うには、原則として当事国双方がICJの管轄権に同意している必要があります。
日本はICJの強制管轄権(提訴されたら自動的に裁判に応じる義務)を受け入れていますが、韓国はこれを受け入れていません。そのため、日本が単独で提訴状を提出しても、韓国側が応訴に同意しない限り審理は開始されません。日本は1954年、1962年、そして2012年(李明博大統領の竹島上陸後)の計3回にわたり共同付託を正式提案しましたが、韓国側はいずれも門前払いで拒否しています。裁判を拒絶しているのは韓国側であり、日本の主張の正当性が揺らいでいるわけではありません。
誤解3:「1877年の『太政官指令』で日本自身が竹島を放棄した」という歪曲
韓国側がよく持ち出す論点に、明治初期の「太政官指令(内務省の伺いに対し、太政官が『竹島外一島之件ハ本邦関係無之義ト可相心得事』と指示した文書)」があります。しかし、当時の公文書で用いられていた「竹島」は現在の「鬱陵島」を指し、「外一島」は鬱陵島の北東にある小島(竹嶼など)を指していました。
当時の日本海における島の名称混乱を正確に照合すれば、太政官指令は現在の竹島を放棄した文書ではないことが歴史学・古地図の綿密な研究によって既に立証されています。