サッカー日本代表が世界を驚嘆させる真の要因は、戦術やフィジカルの向上だけではありません。社会心理学およびスポーツ心理学の視点から見ると、「強豪国に対する心理的コンプレックス(憧れ)の完全な脱却」が決定的なブレークスルーをもたらしています。
かつての日本代表選手にとって、欧州のトップスターは「見上げる存在」であり、国際試合は腕試しの場という側面が否定できませんでした。しかし、現代の代表選手たちは毎週のようにプレミアリーグ、ラ・リーガ、ブンデスリーガ、セリエA、リーグ・アンなどの現場で世界最高峰の選手たちと対等に削り合い、時に圧倒しています。日常の基準が「世界基準」へと引き上げられた結果、強豪国と相対しても気後れすることなく、冷徹に相手の弱点を突くメンタリティが定着しました。
組織としての強い連帯感(コレクティビティ)を維持しながら、個々の選手が自立したプロフェッショナルとして自らのエゴを適切にチーム戦術へ還元する。この日本特有のハイブリッドな組織文化こそが、個人技に頼りがちな南米勢や戦術に偏りがちな欧州中堅国に対して大きな優位性を持っています。