アルコール耐性は生理学的な遺伝に支配されていますが、行動科学や心理学的なアプローチからも、飲酒量が多い人々に共通するパーソナリティ特性が報告されています。
ビッグファイブ(性格特性5因子モデル)を用いた行動分析や臨床心理の調査によると、酒豪に多い性格と共通点として「外向性(Extraversion)」と「新奇性探求(Sensation Seeking)」のスコアが高い傾向が確認されています。自己開示が得意で他者との社交を好む人や、刺激に対してポジティブな反応を示す人は、飲酒の場に身を置く頻度自体が高く、アルコールに対する心理的抵抗感が低いのが特徴です。また、ストレスに対する耐性(コーピング能力)が高く、感情を内に溜め込まず言語化して発散できる合理的な思考パターンを持つ人が多い点も指摘されています。
一方で、近年のヘルスケア領域で注目を集めているのが酒に強い女性の特徴です。
一般的に、女性は男性に比べて体格が小さく、体脂肪率が高いため体内水分量が少ない上に、肝臓そのもののサイズも小さい傾向にあります。そのため、同量のアルコールを摂取した場合、血中アルコール濃度が男性よりも約1.2倍から1.5倍上がりやすいのが生理学的な基本です。加えて、女性ホルモン(エストロゲン)にはアルコール脱水素酵素の働きを抑制する作用があることが判明しています。
そうした生理的ハンディキャップを跳ね除けて「お酒が強い」とされる女性には、明確な特徴があります。遺伝的に完全なALDH2活性型(NN型)を保持していることは前提条件ですが、定期的なウェイトトレーニングなどにより骨格筋率が高く、男性並みの水分保持能力を有しているケースが多く見られます。また、月経周期に伴うホルモンバランスの変動を自覚し、排卵前後の分解能力が落ちるタイミングを避けて嗜むといった、高い自己管理能力を備えている点も共通しています。