子供のお尻トラブルは、皮膚の表面に問題があるケースと、肛門内部や消化管・感染症に起因するケースに大別されます。子供が発するサインや患部の状態から、疑われる疾患を正確に見極めることが大切です。
乳幼児から幼児期にかけて多発する子供のお尻の赤いブツブツは、接触皮膚炎(おむつかぶれ)のほか、カンジダ菌というカビの一種が増殖する「乳児寄生菌性紅斑」が代表的です。通常のかぶれはおむつが直接当たる凸部分が赤くなるのに対し、カンジダ症は皮膚のシワの奥深くまで赤くなり、周囲に小さな膿疱(白っぽいブツブツ)が散らばる特徴があります。これらは治療薬が全く異なるため、市販のステロイド軟膏を自己判断で塗布するとカンジダ菌をかえって増殖させるリスクがあります。
また、夏場を中心に流行する手足口病によるお尻の発疹も見逃せません。手足だけでなくお尻や太もも周辺に強い赤みを帯びた丘疹や水疱が多発することがあり、ウイルス感染に伴う全身症状の一部として現れます。
一方、排便のたびに子供がお尻を痛がる切れ痔(裂肛)は、幼児期の便秘と密接に結びついています。硬く太い便が肛門上皮を傷つけることで激痛が走り、便の表面やトイレットペーパーに少量の鮮血が付着します。痛みを恐れた子供が便意を我慢し、便がさらに硬くなって再び切れるという過酷な悪循環に陥りやすいため、初期段階での適切な介入が求められます。
さらに、就寝時や夜中に「お尻が痒くて眠れない」と訴える場合、ぎょう虫検査で発見される子供の症状を疑う視点が重要です。夜間、肛門周囲に這い出て産卵する雌のぎょう虫が分泌する粘液が強い痒みを引き起こします。保育園や幼稚園などの集団生活の場で現在も散発的な集団感染が確認されており、決して過去の病気ではありません。
特に緊急を要するのが、肛門の横が赤く腫れ上がり熱感を持つ肛門周囲膿瘍における子供の症状です。主に乳児期(特に男児)に多く見られ、肛門小窩から細菌が侵入して化膿し、膿が溜まる病態です。激しい痛みを伴い、悪化すると皮膚を突き破って瘻管を形成する(痔瘻)ため、速やかな小児外科・小児科での排膿処置が必要になります。