南京玉すだれの真骨頂は、技の完成度だけでなく、リズミカルな口上(こうじょう)と観客との掛け合いにあります。七五調を基本とした軽妙な歌詞は、歌舞伎や講談の語り口を色濃く残しています。
最も広く知られている標準的な口上の流れは以下のフレーズです。
「さて、さて、さて、さて、さては南京玉すだれ。
ちょいと伸ばせば、浦島太郎さんの釣竿に早変わり。
釣竿が、釣竿がお気に召せば、チョイと返して、瀬田の唐橋、唐金擬宝珠(からかねぎぼし)擬宝珠原。
橋でお目に留まれば、チョイと返して、東海道は名所巡り、富士の山へと早変わり――」
演者は拍子木やすだれの擦れ合う「シャッ、シャッ」という小気味よい竹の音に合わせて発声します。「さては南京玉すだれ」のフレーズでは観客が「あ、それ!」と合の手を入れることで、会場全体の一体感を生み出す演出が定番となっています。