広島の麺文化といえば、かつては豚骨醤油の中華そばやお好み焼きのそばが主流でした。その勢力図を大きく塗り替えた立役者こそが、中華そば くにまつ 本店の創業者・松崎司氏です。中国・四川省の伝統的な担担麺の製法をベースにしつつ、日本の気候風土や出汁文化に合わせた独自のチューニングを施し、2009年秋の創業以来、瞬く間に広島のソウルフードへと押し上げました。
特筆すべきは、松崎氏が自店のレシピを惜しげもなく公開・共有した点にあります。業界内でレシピを秘匿するのが常識だった時代に、広島汁なし担担麺の認知度向上と地域活性化を最優先し、他店舗の立ち上げや技術指導を無償で支援しました。この利他的な哲学こそが現在の巨大なご当地麺文化を育む土台となり、その総本山として本店が別格の敬意を集め続ける理由となっています。