白岩の里の行方は、入所者本人や家族だけの問題にとどまらず、地元・阿賀町の地域経済と雇用にも直結しています。阿賀町は新潟県内でも特に過疎化と高齢化が進む地域であり、大規模福祉施設である白岩の里は、町民にとって極めて重要な雇用の受け皿であり続けてきました。
家族会の手記や公聴会で寄せられた生の証言には、切迫した思いが溢れています。
「私たち親の世代も80代を迎え、自宅で重度の成人した子どもを介護することはもはや不可能です。もし白岩の里が規模を大幅に削られ、行き場を失ったら共倒れになってしまう」
こうした声に対し、長年勤めてきた支援員の一人は次のように複雑な胸中を明かします。
「民営化によって県立施設という枠組みが外れることへの戸惑いは職員側にもありました。しかし、目の前にいる利用者さんの日々の笑顔と安心を守ることには変わりありません。阿賀町のこの場所で、最後まで責任を持つという信念で現場に立ち続けています」
地域インフラとしての役割を守りつつ、縮小と民営化の波をどう乗り越えるか。行政と民間法人が一体となった地域包括支援ネットワークの構築が急務となっています。