学習現場や知恵袋などのQ&Aコミュニティでは、「中納言参りたまひて」に関する疑問や勘違いが数多く投稿されている。特に高校生がつまずきがちな「ネットの誤解」と実際の解釈を検証する。
誤解1:清少納言は隆家を馬鹿にして言い負かしたのか?
現代の感覚で読むと、他人の自慢話に水を差し、揚げ足を取ったように見えるかもしれない。しかし当時の宮廷文化において、古典の知識や連想を用いた「即妙の機知」は最高の教養とされた。隆家が「めづらしう思したる(並々ならぬ感心をしている)」とある通り、隆家は清少納言の知性を大いに称賛している。互いの知性を認め合う高度なコミュニケーションゲームだったのだ。
誤解2:「言ひ落とさる」の主語を取り違えるミス
定期テストの現場で多発するのが、「これ、隆家が言ひ落とされつる」の発言者や主語の混同だ。「言ひ落とす」は「言い負かす」という意味の動詞であり、それに受身の助動詞「る」が付いているため、「言い負かされる」となる。つまり「この隆家が(清少納言に)言い負かされてしまった」という意味であり、主語は隆家自身である。
中納言参りたまひて重要単語一覧
- いみじ:大変素晴らしい、並外れている(文脈によって甚だしいプラス・マイナスの両方に用いる)。
- おぼろけなり:並一通りだ、ありきたりだ(下に打消を伴い「並大抵ではない」の意になる頻出語)。
- 聞こゆ:申し上げる(「言ふ」の謙譲語)。
- 言ひ落とす:言い負かす、けなす。
- めづらし:素晴らしい、めったにない、目新しい。
- をかし:趣がある、面白い、風情がある。