脳卒中の疑いがある場合、1分1秒の迷いが予後を決定づけます。世界基準で用いられている初期症状のチェック法が「FAST(ファスト)」です。
【F: Face(顔の麻痺)】「イー」と声を出して笑ったとき、顔の片側が歪んだり口角が下がったりしないか。
【A: Arm(腕の麻痺)】両腕を前方にまっすぐ伸ばしたとき、片方の腕が自然に下がってこないか。
【S: Speech(言葉の障害)】簡単なフレーズが滑らかに発音できるか、言葉が出てこなかったり他人の言葉が理解できなかったりしないか。
【T: Time(発症時刻の確認と迅速な通報)】上記3つのうち1つでも当てはまれば、迷わず119番通報を行い、発症した正確な時刻を記録する。
脳梗塞の急性期治療において、血管に詰まった血栓を強力に溶かす「t-PA静脈内投与療法」は発症後4.5時間以内という厳格なタイムリミットが設定されています。さらに、カテーテルで血栓を直接回収する血管内治療も時間が早いほど劇的な回復が期待できます。「様子を見よう」という判断は取り返しのつかない後遺症を招くため、疑わしい症状が出た時点で直ちに救急車を呼ぶことが鉄則です。