多発性骨髄腫治療の最前線!新薬とCar-T療法が拓く生存率の劇的進化

多発性骨髄腫治療の最前線!新薬とCar-T療法が拓く生存率の劇的進化

多発性骨髄腫治療の最前線!新薬とCar-T療法が拓く生存率の劇的進化の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。

初発時の治療設計において、最大の分岐点となるのが多発性骨髄腫自家末梢血幹細胞移植の適応判断です。大量の抗がん剤(高用量メルファラン)を投与して骨髄腫細胞を徹底的に根絶した後、あらかじめ凍結保存しておいた自身の造血幹細胞を体内に戻して造血機能を再建するこの治療は、身体に相応の負荷を伴います。そのため、国内では従来「65歳未満」が一つの境界線とされてきました。

しかし、医療現場における実態は大きく変化しています。暦年齢(実年齢)だけで機械的に線引きする時代は完全に終わり、心肺機能や肝腎機能、認知機能、日常生活動作(ADL)を包括的に点数化する「老年医学的評価(GA)」に基づき、全身状態が良好(Fit)であれば70歳前後まで移植を安全に完遂する症例が珍しくありません。自家移植を一次治療の地固めとして実施することで、その後の維持療法と合わせて極めて長い無病期間を勝ち取ることが可能になります。

一方で、血液がん全体の約10%を占める骨髄腫は、診断時の中央値が70歳を超える典型的な高齢者疾患です。移植非適応と判断された患者に対しても、妥協のない治療体系が用意されています。これが多発性骨髄腫高齢者治療選択肢の充実です。かつての過酷な化学療法とは異なり、皮下注射可能な抗体薬と内服薬を組み合わせた負担の少ないレジメンが主流となっており、フレイル(虚弱)と判定された超高齢者であっても、ステロイドの減量や休薬期間の調整(フレイル・アジャステッド・ドーズ)を行うことで、入院することなく外来通院のみで長期間にわたり病勢を抑え込むことが可能になっています。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。