若いのに階段を踏み外す原因は?スマホ老眼や隠れた病気と最新対策

若いのに階段を踏み外す原因は?スマホ老眼や隠れた病気と最新対策

若いのに階段を踏み外す原因は?スマホ老眼や隠れた病気と最新対策とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。

ネット上のQ&Aサイトや掲示板では、「若いのに階段を踏み外すのは単にスクワット不足」「スマホを見ながら歩いているからだ」といった乱暴な意見が散見されます。しかし、臨床現場や身体機能の専門家の見解は全く異なります。安易に「筋トレをすれば解決する」と信じ込み、かえって症状を悪化させる落とし穴が潜んでいます。

最大の盲点は、深部感覚障害つまずきの存在です。人間は視覚を使わなくても、関節の曲がり具合や筋肉の張り具合によって「自分の足が今どの位置にあるか」を把握できる「深部感覚(固有受容感覚)」を備えています。ところが、長時間の座りっぱなし生活や偏った靴の着用、腰椎の軽微な神経圧迫などが重なると、足底のメカノレセプター(圧受容器)からのシグナルが遮断されます。筋肉自体に力があっても、脳が足の正確な空間座標を見失っているため、結果として段差を踏み外してしまうのです。

また、若年性筋力低下サルコペニアの真相についても正しい認識が求められます。サルコペニアは高齢者の筋肉量減少を指す疾患概念ですが、近年はリモートワークの普及に伴い、1日の歩行数が3,000歩未満にとどまる20代が増加しています。特に衰えやすいのが、つま先を引き上げる「前脛骨筋」や、骨盤を安定させる「腸腰筋」です。表層の大きな筋肉だけを鍛えても、微細な段差に対応するインナーマッスルが眠ったままでは、つまずきの根本解決にはなりません。単なる根性論や自己流トレーニングで片付けるのは極めて危険なアプローチと言わざるを得ません。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。