卓球が「回転のスポーツ」と呼ばれる所以は、直径40ミリ、重さ2.7グラムという超軽量プラスチック球が、毎秒100回転以上の超高速スピンを帯びて飛来する点にあります。このスピンを自在に操る卓球回転のかけ方と見極めが、勝負の世界における決定的なアドバンテージをもたらします。
相手の球質を瞬時に見分ける際、ボールのマーク(ロゴ)のブレ具合を目視するのは物理的に限界があります。優れた選手は、インパクト時の「相手のラケットスイングの軌道」「ラバーのどの部分に当たったか」、そして「打球音の質感」から回転を判別しています。澄んだ高いミート音が鳴れば無回転(ナックル)、擦るような鈍い摩擦音が響けば強烈なスピンがかかっている証拠です。
自らの武器となる卓球サーブの種類とコツにおいては、同じスイング軌道から異なる回転を繰り出す偽装動作(フェイクモーション)の習得が効果を発揮します。下回転サーブを出すと見せかけてインパクト直後に手首を上へ跳ね上げるロングサーブや、ボールの底を薄く切る下回転とボールの側面を捉える横回転の出し分けをマスターすることで、レシーバーの判断を0.5秒遅らせることができます。
これらの技術を束ねるのが卓球試合で勝つ戦術の構築です。卓球はチェスを100メートル走のスピードで行う競技とも言われます。相手の弱点がフォアかバックかを試合の序盤で見定め、得意コースへ打たせる「見せ球」を布石として撒きつつ、決定打を逆サイドの深いコースやミドル(利き腕の脇腹付近)に突き刺すコースマネジメントを徹底します。