なぜ同じ校舎で学ぶ同一校のなかで、偏差値にしておよそ6ポイントもの開きが生じているのか。この疑問に対する答えは、三重県公立高校入試の選抜制度と、学校が担う教育機能の棲み分けに隠されています。
最大の要因は、松阪高校 前期選抜 後期選抜の実施形態にあります。理数科では前期選抜枠が設けられており、定員の多くが推薦・特色選考に近い極めて高倍率な競争に晒されます。中学校長からの高い評定と数学・理科に対する卓越した適性検査が課されるため、受検層の学力水準が極限まで跳ね上がる仕組みです。さらに、文部科学省から指定を受けるSSH(スーパーサイエンスハイスクール)としての探究プログラムが全国区で評価されており、将来の国公立大学医学部や難関理系学部を目指すトップ層が早期から理数科へ集中します。
これに対し、普通科は後期選抜を中心とした学力検査が主戦場となり、文系・理系を問わず幅広い進路希望者を受け入れる間口を持っています。加えて、理数科を受検した生徒が不合格となった際に普通科へと繰り下げて判定される「スライド合格制度」が存在するため、普通科の上位層には実質的に理数科レベルの学力を有する生徒が常に一定数流入する重層構造が形成されています。