オキシクリーンの主成分は過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)と炭酸ナトリウム(アルカリ剤)です。お湯に溶かすことで活性酸素の微小な泡を大量に放出し、汚れの有機物分子を酸化分解する仕組みを持っています。塩素系漂白剤のように色素を無差別に破壊しないため、基本的には色柄物にも使用可能とされています。しかし、条件次第で染料そのものを攻撃してしまう構造的な要因が存在します。
まず挙げられるのが、液性のアルカリ度と熱エネルギーによる染料の結合破壊です。過炭酸ナトリウム水溶液はpH10〜11前後の弱アルカリ性を示します。綿や麻などの植物性繊維はアルカリ環境で繊維が膨潤(水分を含んで膨らむ)する性質があり、そこへ40℃〜60℃の熱エネルギーが加わると、繊維と染料の結びつきが一気に緩みます。定着力の弱い直接染料や反応染料は、汚れと一緒に繊維の外へと流れ出してしまうのです。
さらに深刻なのが、粉末の溶け残りによる局所的な超高濃度漂白です。バケツや洗濯槽のお湯にオキシクリーンを直接投入し、十分に撹拌しないまま衣類を沈めると、底に沈殿した高濃度の粒が繊維に直接密着します。その接触点だけが急激な酸化反応に晒され、部分的な白抜けやマダラ状の色ムラを引き起こす引き金となります。