近年、運転席・助手席およびフロントガラスへの透明断熱フィルム施工を希望するユーザーが急増しています。しかし、ここには道路運送車両法の保安基準第29条に基づく「可視光線透過率70パーセント」という極めて厳格なハードルが存在します。
フロント3面のガラスは、フィルムを貼り付けた状態において、指定の測定器(PT-500等)で計測した可視光線透過率が70%以上を維持していなければ車検に合格しません。ここで重要なのは、「新品フィルム単体の透過率」ではなく「ガラスに貼り付けた後の合算数値」である点です。
純正ガラス自体があらかじめ熱線吸収・UVカット処理されており、単体でも透過率が72〜74%程度まで落ちている車種が少なくありません。そこへ透過率88〜90%の透明断熱フィルムを貼っただけでも、合算値が69%台へ転落し、一発で保安基準不適合となるケースが頻発しています。不法改造に加担できない大手量販店では、フロントガラスへのフィルム施工に対して非常に慎重であり、「事前測定で透過率に余裕がない場合は施工を即座に拒否する」運用が徹底されています。