家庭用家具から精密機械、自動車に至るまで、一般的に流通しているネジの圧倒的多数は「右ネジ(正ネジ)」と呼ばれる規格に統一されています。国際標準化機構(ISO規格)や日本産業規格(JIS規格)でも標準として定められており、回す向きとネジの挙動は明確に決まっています。
基本となるネジの締め方緩め方は以下の通りです。
- 締める(奥へ進む・固定する):時計回り(右回り)
- 緩める(手前に出る・外す):反時計回り(左回り)
ネジの頭を正面から見据えた状態で、アナログ時計の針が進む方向(12時→3時→6時の向き)へドライバーを回せばネジは奥へ潜り込んで部材を締め付けます。反対に、時計の針と逆方向(12時→9時→6時の向き)へ回せばネジは手前に浮き上がって緩みます。
このネジ回す方向時計回りという規則性は、地球上で右利きの人間が多数派である人間工学に基づいています。人間の腕は、肘を曲げた状態で外側(右手なら時計回り)へ手首を捻る「回外(かいがい)運動」の方が、内側へ捻る「回内(かいない)運動」よりも約1.5倍から2倍近く強いトルクを発揮できる筋骨格構造になっています。そのため、「最も力を込めてしっかり固定したい締め作業」に右回りが割り当てられているのです。