2024年7月2日の新日本銀行券発行開始から一定期間が経過した現在、市場における紙幣の世代交代は着実に進行しています。日本銀行の受払統計や日本自動販売システム機械工業会(JVMA)のデータを総合すると、市中を流通する千円札のうち、北里柴三郎券の流通比率は約7割を超え、野口英世券を見かける頻度は明確に減少しています。
決済現場における受け入れ状況を詳細に調査すると、業態によって対応の濃淡が浮き彫りになります。
- コンビニ・大手スーパー・百貨店:有人レジはもちろん、セルフレジを含めほぼ100%の確率で野口英世千円札・北里柴三郎千円札の双方が問題なく利用可能です。
- 飲料自動販売機:大手飲料メーカーが管理する機体では識別機(ビルバリデータ)の更新が完了しており、新旧いずれの千円札もそのまま通る設計が一般的です。
- 地域密着の飲食店・個人経営のラーメン店:高額な券売機改修コスト(1台あたり数十万〜百数十万円)を敬遠し、旧型の識別機をそのまま運用している店舗が一部存在します。その結果、「新紙幣(北里柴三郎)は入らないが、旧紙幣(野口英世)ならそのまま使える」という逆転現象も現場では見受けられます。
- コインパーキング・路線バスの運賃箱:順次改修が進んだものの、過渡期においては「旧札専用」「新札対応完了」のステッカーが混在しており、現場での事前確認が求められる状況が続いています。
ネット上の掲示板や知恵袋などでは、「田舎のバスで新千円札を出したら両替できず、運転手から野口英世の旧札を持っていないか聞かれた」といった声も散見され、インフラ側の更新スピードの格差が生活現場の体験に直結している様子が伺えます。