本作をめぐっては、タイトル先行のイメージからネット上でいくつかの誤解が散見されます。鑑賞前に知っておくべき真実を整理します。
誤解1:「単なる過激な成人映画であり、ストーリー性はない」
これは明らかな誤解です。団鬼六の原作が今なお文学として読み継がれている通り、本シリーズの根底にあるのは「人間の深層心理に潜む支配欲と被支配欲の葛藤」です。特に石井隆監督作品においては、愛と憎悪、裏切りと贖罪が緻密に描かれており、良質なサスペンス映画としての骨格を持っています。
誤解2:「シリーズものはすべて繋がっているため、最初から観ないと理解できない」
1974年版、2004年版(およびその続編の『花と蛇2』)、2010年版、2014年版は、それぞれ独立した世界観または再解釈として作られています。そのため、前後の文脈を知らなくても、各作品単体で十分に物語を堪能できます。初心者が鑑賞する場合、まずは評価の頂点にある2004年の杉本彩版から入るのが最も確実なアプローチです。