「暗殺の天使」シャルロット・コルデーの真実|マラー暗殺と悲劇の最期

「暗殺の天使」シャルロット・コルデーの真実|マラー暗殺と悲劇の最期

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祖国を救うために命を捧げたシャルロット・コルデーの行動は、無情にも歴史の皮肉な逆転劇を招く結果となりました。彼女がマラーを葬り去ったことで、恐怖政治が終わるどころか、かえって過激派を激昂させる燃料を投下してしまったのです。

ロベスピエールやサン=ジュストらは「革命の友」マラーの殉教を利用し、反革命派に対する徹底的な弾圧を正当化しました。暗殺の直後から「反革命容疑者法」が制定され、王妃マリー・アントワネットの処刑や、シャルロットが救おうとしたジロンド派の有力指導者21名の集団処刑が矢継ぎ早に執行されたのです。

シャルロットの一撃は、彼女が最も恐れていた「ジャコバン派による恐怖政治の完成」を皮肉にも加速させてしまいました。しかし、個人の倫理的な気高さと政治的結果の乖離こそが、彼女を単なる暗殺犯ではなく、時代に翻弄された悲劇のヒロインとして世界史に刻み込む要因となりました。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。