絶縁状態が続く中、2008年に『キン肉マン』は連載開始から29(ニク)周年という歴史的な節目を迎えました。国民的記念イヤーに際し、真っ先に名乗りを上げ、最大限のリスペクトをもってオファーを出したのが、吉野家の最大のライバルである「すき家」を展開する株式会社ゼンショーでした。
すき家は作者と作品に対する徹底的な敬意を示し、全国規模での大々的なコラボレーションキャンペーンを展開。これに伴い、嶋田隆司先生も公式にすき家との提携を発表しました。この出来事は当時、ネットニュースやSNS(当時の掲示板やブログ文化)で「吉野家からすき家への完全な乗り換え劇」として爆発的な話題を呼びました。
SNSやファンのコミュニティでは、「あれだけ貢献した作者をないがしろにした吉野家の自業自得」「すき家の誠実な姿勢こそプロの仕事」といった声が圧倒的多数を占め、多くのキン肉マンファンがすき家へ足を運ぶ社会現象へと発展しました。この一件は、外食産業におけるIP(知的財産)とクリエイターへの向き合い方に大きな警鐘を鳴らす事例となったのです。