変わる世田谷の光と影、二子玉川と三軒茶屋が示す新・居住戦略

変わる世田谷の光と影、二子玉川と三軒茶屋が示す新・居住戦略

変わる世田谷の光と影、二子玉川と三軒茶屋が示す新・居住戦略の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。

街のハードウェアが進化する一方で、行政の舵取りはかつてない難所を迎えている。世田谷区役所の本庁舎等整備事業は、長期にわたる工期の遅延や資材高騰の煽りを受け、区民の間でも議論が白熱してきた。区の象徴となるべき新庁舎の完成に向け、現場では急ピッチで作業が進むが、そこに投じられる財源への視線は鋭い。

4期目を務める保坂展人区長が率いる区政は、これまで住民参加型のアプローチや先進的な福祉・教育政策で全国的な注目を浴びてきた。しかし、約90万人の人口を抱える基礎自治体の財政需要は膨らみ続ける一方だ。超高齢社会への突入に伴う社会保障費の急増と、老朽化する公共インフラの更新費用が重くのしかかる。

ファミリー層の流入が続く一方で、区内全域を見渡せば単身高齢者の孤立や空き家の増加といった構造的課題が影を落とす。住民福祉のトップランナーであり続けられるか、それとも財政の硬直化に足を取られるか。新庁舎のガラス張りの外壁に反射する光は、区政が挑むべき重たい現実をも映し出している。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。