介護保険における初回加算で最も誤解が生じやすいのが、いわゆる「過去2ヶ月ルール」の暦月計算です。厚生労働省の告示および留意事項通知では、初回加算が算定できる条件として「過去2月間に当該指定訪問看護事業所から指定訪問看護の提供を受けていない場合」と定められています。
ここで極めて重要なのが、日数のカウント(60日間)ではなく「暦月単位(前月および前々月)」で判定するという点です。
例えば、利用者が5月10日に一時入院し、7月20日に退院して訪問看護を再開したケースを想定してみましょう。日数は約70日経過していますが、5月に訪問看護実績があるため、「前月(6月)」は利用がなくても「前々月(5月)」に利用実績が存在します。この場合、7月の再開時には初回加算を算定できません。
一方で、5月10日に退院・再開したのではなく、8月1日に再開した場合であれば、前月(7月)も前々月(6月)も利用実績がないため、8月利用分として初回加算が算定可能です。この暦月計算の誤認は、自治体の運営指導(実地指導)で一括返還を命じられる頻出パターンとなっています。