インターネット上の不動産掲示板やSNSでは、定期的に「TOKYU REITが表参道スクエアを売却するのではないか」「そろそろ建て替え計画が発表されるのではないか」といった噂が浮上します。結論から申し上げますと、2026年現在において公式な売却決定や建て替え計画は存在しません。
では、なぜこのような噂が絶えないのでしょうか。取材班の調査により、3つの明確な背景が浮かび上がってきました。
第一に、東急グループが推進する「広域渋谷圏(Greater SHIBUYA)構想」におけるポートフォリオの入れ替え観測です。リートが分配金を最大化するため、含み益の乗った成熟物件を売却し、渋谷駅周辺の新規大規模開発物件へ資金を循環させるのではないかというアナリストの推測が、歪められて「売却決定」という噂に変換された経緯があります。
第二に、近隣の商業施設再編です。神宮前交差点の商業施設リニューアルや新規ランドマークの開業ラッシュを受け、「周辺のスケール感に対抗するために一体的な建て替えを模索するのではないか」という建築業界筋の思惑が語られたことです。しかし、本物件は2008年竣工の新耐震基準・最高グレード建築であり、建物の物理的寿命から見ても今すぐ建て替える経済的合理性はありません。
第三に、テナントの定期的なリプレイスメントです。定期建物賃貸借契約の満了に伴うブランドの入れ替え工事期間中、外観に仮囲いが設置されると、事情を知らない一般ユーザーが「閉館・売却か」とネット上に書き込んでしまうケースが後を絶ちません。これらはすべて事実無根の憶測に過ぎず、現実は緻密な運用戦略に基づいたリフレッシュに他なりません。