名曲『さすらいのギター』原曲の真相|ロシア名曲から昭和歌謡への軌跡

名曲『さすらいのギター』原曲の真相|ロシア名曲から昭和歌謡への軌跡

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日本人の琴線に触れるウェットな響きを持つ『さすらいのギター』ですが、その起源は一般に知られるロシア民謡ではなく、明確な作曲者と歴史的背景を持つ管弦楽・吹奏楽曲です。原題はロシア語で『На соプках Маньчжурии』、日本語では『満州の丘に立ちて』(または『満州の丘の上で』)と訳されます。

この名曲を生み出したのは、当時のロシア帝国陸軍第214モクシャン歩兵連隊の軍楽隊長を務めていた作曲家イリヤ・シャトロフ(Ilya Alekseevich Shatrov)です。1904年から1905年にかけて戦われた日露戦争において、シャトロフの所属部隊は満州・奉天(現在の中国瀋陽)の激戦地に投入され、凄惨な包囲戦の中で多くの戦友を失いました。

命からがら生還したシャトロフが、戦場に散った仲間の魂を追悼するために1906年に書き上げたのが、この3拍子の悲壮美に満ちたワルツでした。発表直後からロシア全土で熱狂的な共感を呼び、兵士を悼む哀歌として歌い継がれ、やがてロシアの国民的愛唱歌として定着していったのです。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。