2015年8月に勃発した「神戸山口組」の離脱劇。その真相の深層には、高山若頭が推し進めた「弘道会主導の組織運営」と「高額な上納金システム」に対する関西旧古参勢力の反発がありました。当時、高山若頭は恐喝罪で府中刑務所に収監中であり、不在の隙を突いたクーデター劇だったと言えます。
しかし、2019年秋の高山若頭出所を機に、潮目は劇的に変化しました。出所直後から対立勢力への切り崩し工作を極限まで加速させ、離脱組の有力幹部を次々と引退、あるいは六代目側へ電撃復帰させる謀略を展開。近年では、特定抗争指定暴力団の網が全国で厳罰化される中、直接的な武力衝突を抑え込みながら相手を資金的・精神的に枯死させる「兵糧攻め」を完遂させました。
出所後の動向を俯瞰すると、高山若頭はかつてのような発砲事件を多発させる抗争ではなく、法的な締め付けと経済的困窮を逆手に取った心理戦を選択したことがわかります。対立側の幹部に対して個別にアプローチをかけ、降伏・解散届の提出を迫る戦略により、2026年現在のパワーバランスは事実上「六代目側の完全勝利」と言っても過言ではない情勢を築き上げました。