一般的な都市部の焼肉店ではカルビやロースといった牛肉の正肉が花形ですが、飯田焼肉の主役は「マトン(羊肉)」と「ホルモン」です。この2大看板を抜きにして飯田の夜は語れません。
飯田で提供されるマトンは、丁寧な下処理と長年培われた仕入れルートにより、特有の臭みが抑えられ、噛むほどに芳醇な旨味が広がります。赤身と脂身のバランスが絶妙で、一度食べると牛や豚とは異なる深いコクの虜になります。また、ホルモンに関しても「黒モツ(牛の第2胃など)」や「白モツ(豚小腸・大腸)」など多彩な部位が揃い、鮮度の高さゆえの歯切れの良さと甘みが際立ちます。
さらに見逃せないのが、南信州・飯田特有の焼肉のタレの存在です。地元特産のリンゴや香味野菜、ニンニク、醤油を贅沢に使った自家製ダレは、フルーティーな甘みとガツンとくるパンチを兼備。店ごとに数十年の歴史を持つ秘伝レシピが存在し、マトンの力強い風味や脂の乗ったホルモンを完璧に引き立てます。地元ではネギを刻んだタレで食べるスタイルも親しまれており、後味を驚くほどさっぱりとさせてくれます。