長期間放置したバッテリーや、酷使したバッテリーが蛤(はまぐり)のように膨らんでしまった経験を持つ読者は少なくないはずです。内部の電解液が酸化・分解されてガスが発生し、アルミラミネートパックが膨張している極めて不安定な状態です。この膨らんだモバイルバッテリー処分法こそが、最も注意を払うべき難題と言えます。
絶対に知っておかなければならない鉄則は、「JBRCの無料回収ボックスには絶対に投入してはならない」ということです。回収ボックス内で圧力がかかったり、他の電池と擦れ合ったりすることで発火事故を招くため、JBRCの運用規程でも膨張品の投入は固く禁じられています。
では、膨張したバッテリーはどこへ持参すればよいのか。具体的な受け入れルートは次の3つです。
- 自治体の清掃事務所・拠点回収の「有人の対面窓口」:多くの自治体では、ボックスへの投棄を禁じる一方、区や市の清掃事務所、エコプラザ等の窓口で職員に直接手渡す形式であれば「有害危険ごみ」として特別に引き取ってくれる体制を整えています。事前に電話で「膨張したモバイルバッテリーがある」と伝えてから持ち込むのが確実です。
- 一部家電量販店の有人サポートカウンター:ボックスへの投函は不可でも、ヤマダ電機、ビックカメラ、ヨドバシカメラなどの大型店舗カウンターで「膨張しているが有料または無料で引き取り可能か」を相談すると、安全保管用の一時保管缶(耐火容器)を備えている店舗では例外的に引き取ってもらえる事例があります(※店舗判断によるため事前確認が必須です)。
- メーカーのサポート対応窓口:Ankerモバイルバッテリー回収サービスをはじめとする大手専業メーカーでは、直営店(Anker Store)への持ち込みやサポート申請を通じて、自社製品であれば膨張した状態でも回収を受け付けるケースがあります。
処分先へ持参するまでの間、自宅での一時保管にも細心の注意が求められます。直射日光の当たる場所や高温になる車内を避け、周囲に燃えやすいものがない土間やセメントの床面、または不要になった金属製のフタ付きクッキー缶や土鍋の中に入れ、万が一の発火に備えて保管してください。ネット上で散見される「塩水につけて完全に放電させる」という方法は絶対にNGです。端子や内部が急速に腐食して有害ガスが発生したり、漏電ショートによる発火を誘発したりする極めて危険な行為です。