ステロイド(副腎皮質ホルモン)の強さを調べる際、最も多くの人が陥る罠が「内服薬の強さ」と「外用薬の強さ」の混同です。この2つは評価軸そのものが異なります。
体内へ吸収させて全身に作用させる「内服薬・注射薬」においては、体内で作られるホルモン(ヒドロコルチゾン)を基準とした抗炎症力価によって強さが比較されます。この分類において、デキサメタゾン錠剤の力価は長時間作用型の「最も強力なグループ」に位置付けられます。
一方で、皮膚疾患に使われる「塗り薬(外用薬)」は、血管収縮作用の強さに基づいて以下の5段階ランクで分類されます。
- 1群(Strongest / 最も強力):デルモベート、ダイアコートなど
- 2群(Very Strong / 非常に強力):リンデロンDP、フルメタ、ネリゾナなど
- 3群(Strong / 強力):リンデロンV/VG、ボアラ(吉草酸デキサメタゾン)など
- 4群(Medium / 中等度):デキサメタゾン軟膏0.1%、グリメサゾン、ロコイド、キンダベートなど
- 5群(Weak / 弱い):プレドニゾロン軟膏など
このように、外用薬としてのデキサメタゾン軟膏は主に第4群(Medium)、エステル骨格を持つ吉草酸デキサメタゾンでも第3群(Strong)に留まります。「内服薬では最強格だが、塗り薬としては中程度の強さ」という明確なギャップが存在することを理解しておくと、処方内容に対する過度な不安を解消できます。