「ラクダの肉は本当にまずいのか、それとも美味なのか」という疑問に対する端的な答えは、「極めて上質な赤身肉であり、調理法さえ誤らなければ牛肉以上のコクを楽しめる美味な肉」です。パサつきや強烈な獣臭を想像する人が多いものの、実際に口にした食肉バイヤーや料理人の多くは「脂っこさのない上質な牛モモ肉、あるいはクセのない鹿肉に近い」と口を揃えます。
香りの面では、マトン(成羊肉)のような独特のミルキーな獣香や、野生イノシシのような強い野性味はほとんどありません。鉄分を豊富に含む赤身肉特有のほのかな酸味と、噛みしめるほどに広がるアミノ酸由来の力強い旨味が特徴です。繊維質がしっかりしているため、噛みごたえはありますが、決してゴムのような硬さではありません。
現在、日本の正規ルートで輸入されている食肉用ラクダ肉のほぼ100%はオーストラリア産です。オーストラリアの広大なアウトバックで自然の牧草や灌木を食べて育った野生ラクダ(フェラル・キャメル)は、豪州政府の厳正な衛生管理プログラム(AQIS基準)のもとで捕獲・処理されており、極めて衛生的でクリアな肉質が保たれています。