ファンの間で今も根強く囁かれる「ステージへの復帰」ですが、子門真人氏が公の場に復帰する可能性は事実上ゼロと言わざるを得ません。
これまでにも、テレビ各局のアニソン特番や紅白歌合戦の特別枠、アニメソングの大規模フェスなどから、天文学的な出演料を提示したオファーが幾度となく送られてきました。しかし、関係者によれば、本人はそれらの依頼を一貫して丁重に断り続けています。「過去の歌はレコードやCDの中に残してある。今の自分はただの老人であり、見せるべき姿はない」という確固たる美学があるからです。
彼が日本のポピュラー音楽およびサブカルチャー史に残した足跡は、決して「およげ!たいやきくん」だけにとどまりません。
1971年に社会現象を巻き起こした『仮面ライダー』のオープニング主題歌「レッツゴー!! ライダーキック」(藤浩一/子門真人名義)をはじめ、『科学忍者隊ガッチャマン』の「ガッチャマンの歌」、『勇者ライディーン』など、力強さと哀愁を兼ね備えたボーカルワークは、特撮・アニメソングを単なる子供向けの余興から、独立した音楽ジャンルへと昇華させる決定打となりました。
ファンコミュニティの間でも、「無理に表舞台に出てきてほしいわけではない。過去の素晴らしい音源に感謝しつつ、今はただ穏やかに余生を過ごしてほしい」という敬意に満ちた見守りの姿勢が定着しています。