「足立ナンバー」という名称から、足立区民だけのものと勘違いされがちですが、本来の足立ナンバー管轄地域は東京東部から都心隣接部まで広大に広がっています。現在、足立ナンバーを交付されているのは、足立区・荒川区・台東区・墨田区・江戸川区の5区です。上野や浅草を擁する台東区、東京スカイツリーの足元である墨田区といった、東京屈指の観光地や下町中枢もすべて足立ナンバーに属しています。
ここで特筆すべきは、2020年に実施された地方版図柄入りナンバー(いわゆるご当地ナンバー)の導入劇です。かつて足立ナンバーファミリーであった江東区が「江東ナンバー」、葛飾区が「葛飾ナンバー」を独自に導入し、足立ナンバーの枠組みから離脱しました。この分離によって、東京東部のナンバープレート勢力図は大きく書き換わっています。
ご当地ナンバー葛飾江東比較で見えてくるのは、住民がナンバープレートに求める価値の分岐点です。湾岸エリアのタワーマンション急増に伴い「品川ナンバーに引けを取らない洗練されたイメージ」を求めて独立した江東区と、下町人情の伝統を誇りとして掲げた葛飾区。この2区が独立したことで、残された足立ナンバーは「虚飾を排した実用と伝統のナンバー」としてのキャラクターをより色濃くしています。