ビジネスの立ち上げや運転資金の確保において、事業者が真っ先に直面するのが法人口座開設の難易度や融資審査の通りやすさの壁です。
全国展開するメガバンクは、厳格なマネーロンダリング対策やAIスコアリングモデルを用いた画一的な定量審査を採用しています。そのため、創業初期のスタートアップや実績の乏しい個人事業主、売上規模が数千万円クラスの中小企業では、融資はおろか法人口座の開設すら断られるケースが珍しくありません。
一方、信用金庫は地域密着型のリレーションシップバンキングを掲げています。信用金庫から融資を受けるには、会員資格と出資金(一口数百円〜数千円程度から設定可能)の取得が前提条件となりますが、担当者が直接事業所へ足を運び、経営者の人柄や事業計画の熱意、地域における将来性といった定性面を丁寧に評価する土壌があります。
都内で製造業を営む経営者の証言によれば、「創業2年目の赤字決算時にメガバンクからは機械的な追加担保を求められ打ち切られたが、地元の信金担当者は工場の稼働状況と受注残高を細かく見て『社長、この技術なら半年後に必ず持ち直します』と追加融資を通勤経路の足しげく通う中で取りまとめてくれた」と語っています。数字に表れにくい経営の実態をすくい上げる力こそ、信用金庫の真骨頂です。