関東連合が社会に与えた衝撃のもう一つの側面は、芸能界との密接すぎる距離感でした。2000年代、彼らは六本木や西麻布の会員制ラウンジや高級バーを経営・プロデュースし、多くの有名タレント、モデル、ミュージシャン、大手芸能プロ幹部と夜な夜な交流を重ねていました。
彼らが芸能関係者を取り込めた背景には、芸能人にとって「頼れる用心棒」としての役割を果たしていた側面があります。ストーカーやパパラッチの排除、クラブでのVIPアテンド、さらには薬物や金銭スキャンダルのもみ消しなどを請け負うことで、芸能界に深く食い込んでいきました。2010年の市川海老蔵暴行事件は、そうした日常的な癒着が公の白日の下に晒された氷山の一角に過ぎませんでした。
しかし、六本木クラブ襲撃事件による一般市民の殺害は、警察当局の姿勢を決定的に変えました。暴力団のようなピラミッド型の明確な規約を持たず、暴対法の対象外だった彼らに対し、警察庁は2013年に「準暴力団」という新たな規定を創設。関東連合をその第一号に指定し、組織犯罪対策特別捜査隊を中心に徹底した兵糧攻めと検挙作戦を展開しました。主要幹部の逮捕、海外逃亡による連絡網の寸断、そしてフロント企業や資金源の口座凍結により、関東連合は事実上の壊滅へと追い込まれたのです。