地元スーパーのレジ横や居酒屋のカウンターで繰り広げられる会話は、他県民にとってまさに異次元の体験です。例えば、近所同士の立ち話でごく自然に交わされる次の鹿児島弁日常会話例文を聞いて、瞬時に意味を理解できる県外者はまずいないはずです。
「あたいのげぇのびんたが痛(い)て、わっぜえだれやめしたかがよ」「んだもしたん、そらあたいもじゃ。はよけきらんとな」
標準語に直すと「私の家の(夫の)頭が痛くて、すごく晩酌をしたくなったのよ」「あらまあ、それは私も同じだわ。早く帰らないといけないね」という意味になります。ここで使われている単語を分解すると、頭を意味する「びんた」、晩酌を指す「だれやめ(だれ=疲労を、やめる=止める)」、驚きを表す「んだもしたん」など、標準語の語根をほとんど残していない語彙が連発していることが分かります。
地元民が会話の中で無意識に多用する鹿児島弁よく使うフレーズの筆頭格が「わっぜ(あるいは、わっぜぇ・わっぜか)」です。この鹿児島弁わっぜの意味は、英語の「very」、標準語の「とても」「すごく」に該当する強調表現です。「わっぜ熱(あ)か(ものすごく熱い)」「わっぜうまか(信じられないほど美味しい)」のように、感情が高ぶった際に反射的に口から飛び出します。若年層の間では「まじで」に近い感覚で「わっぜ」が短縮形として使われるケースも目立ち、日常の感情表現を支える不可欠なピースとなっています。