松本潤さんを語る上で絶対に欠かせないのが、嵐コンサートにおける演出担当としての圧倒的な実績です。単なるアイドルの枠を超え、日本の大型ライブエンターテインメントの歴史を塗り替えたといっても過言ではありません。
その筆頭が、2005年の全国ツアーで初導入された「ムービングステージ」です。アリーナ席の頭上を透明なアクリル製ステージが移動し、スタンド席の最奥にいる観客の目の前までメンバーが歌いながら近づくという前代未聞の機構は、松本潤さんが「会場のどの席にいるファンにも同じ距離感で熱を届けたい」という執念から発案したアイデアでした。この特許技術は後に国内外の数多くのトップアーティストに採用され、スタジアムコンサートの標準装備となりました。
さらに、客席全体のペンライトを無線通信で一括制御し、東京ドーム5万5千人のファンを巨大な光のディスプレイへと変えた「フリフラ(Freely Flashing Light)」の導入など、松本さんは常に最先端テクノロジーをエンタメに融合させ続けました。
しかし、その華々しい成果の裏には計り知れない苦悩がありました。セットリストの秒単位の調整、巨大スクリーンの映像チェック、音響や照明の微細なズレに至るまで妥協を許さない松本さんは、連日連夜のリハーサルで自らの睡眠時間を削り、スタッフと激論を交わす孤独な重責を背負っていました。「演出に口を出す自分が、メンバーに負担をかけているのではないか」という葛藤に苛まれる時期もあったと後に語られています。その重圧を支えたのは、文句一つ言わずにステージ上で松本さんの演出意図を体現しきった4人のメンバーの絶大な信頼でした。