制度上は「監理技術者の負担を軽減し、若手を育成する画期的な仕組み」と喧伝された専任配置の緩和ですが、実際の現場からはどのような声が上がっているのでしょうか。都内の現場監督たちへの取材から、制度導入後のリアルな功罪が見えてきます。
大手ゼネコンの30代現場代理人は次のように語ります。
「兼任する特例監理技術者は、要所要所で現場巡視を行いますが、日常的な職長会や細かな安全指示、急な工程変更の対応はすべて現場に常駐する監理技術者補佐に降りかかってきます。書類上は『補佐』でも、実質的な現場統括を任されるプレッシャーは想像以上でした。ただし、ベテランに頼り切るのではなく、自らの頭で施工計画を動かす責任を20代で経験できたことは、技術者としての成長速度を何倍にも加速させた実感があります」
一方で、懸念されるのは「名ばかり補佐」と「過重労働の押し付け」です。地方の現場を担当する若手技術者の間では、「特例監理技術者が別の現場に張り付き、現場には技士補の自分しかいない状態でトラブルが発生した際、職人たちとの板挟みになってメンタルを削られた」という生々しい証言もあります。組織としてのバックアップ体制が脆弱な企業では、専任緩和が単なる人員削減の隠れ蓑になりかねないという構造的リスクを孕んでいるのも厳然たる事実です。