現在の氷上シーンを語る上で、羽生結弦という絶対的な特異点を避けて通ることはできない。彼がプロへと転向し、単独でのドーム公演を軽々と成功させる時代において、従来型のアイスショーは大きな転換点を迎えている。羽生が牽引してきた爆発的な熱狂は、同時に「羽生依存」という構造的な課題を業界全体に突きつけた。
若手の登竜門として名高い「ドリーム・オン・アイス」に目を向けても、次世代スターの発掘と育成は急務だ。現役トップ選手たちの瑞々しいスケーティングは観客の心を打つ。しかし、かつて浅田真央や安藤美姫が巻き起こした国民的ブーム、そして羽生結弦が築いた熱狂の壁はあまりにも高い。興行としての採算ラインを維持しながら、いかにして若手を看板へと育て上げるか。真壁氏らプロモーター陣は、過去の成功体験に縛られない新たな座組の構築を迫られている。