日本のアイドル文化を長年支えてきたのは、閉鎖的とも言える強固なコミュニティ形成だった。しかし、現在のファンクラブビジネスは、グローバル市場を見据えたオープン性と利便性の両立を余儀なくされている。紙のチケットをもぎって入場していた時代から、スマートフォンを用いた顔認証やダイナミックQRコードによる入場へと完全に舵が切られた。
この変化は、転売防止という観点では目覚ましい成果を挙げた。一方で、デジタルツールの操作に不慣れな古参ファンや、スマートフォンを所持していない若年層のファンが一時的に疎外感を味わう事態も生んだ。伝統的なJ-POPシーン特有の「お茶の間感」と、最先端テックが要求するシビアな個人認証の間で生じる摩擦は、運営側が解決すべき恒常的な課題となっている。