観光パンフレットの定番写真に飽き足らないなら、農道を一歩奥へと入ってみるといい。「名所とされる上平展望台からのパノラマも素晴らしいが、倉科地区の窪地に広がる古木群を見下ろす農道こそが一番の絵になる」と、代々果樹園を営む地元農家は語る。
観光客が集中する展望台広場を少し離れ、東側の段々畑沿いを登ると、視界が開けて杏の花越しに冠雪の飯縄山や戸隠連峰を捉えられる秘密のポイントがある。午前中は順光で花弁の淡いピンクが青空にくっきりと浮かび上がり、夕刻には茜色に染まる山影とのコントラストが際立つ。
地面に散った花びらがピンクの絨毯を作る開花後半も見逃せない。風が吹き抜けるたびに舞い散る花吹雪は、写真や動画のフレームに劇的な動きを与えてくれる。