「日本三大怪魚 イトウ」は、日本最大のサケ科淡水魚であり、アイヌ民話では鹿をも丸呑みにしたという伝説が残る北方系の肉食魚です。かつては東北地方北部にも生息していましたが、河川改修や乱獲によって激減し、現在はほぼ北海道の一握りの湿原河川水系(猿払川、天塩川、釧路湿原周辺など)にしか生き残っていません。
学術的な記録では、大正時代に十勝川水系で最大サイズ約2.1メートルの超巨木級個体が捕獲された記録が存在します。現在確認される個体でも1メートルから1.3メートル前後に達するものが現れ、成長には15年から20年以上という長い歳月を要します。
現在、環境省のレッドリストにおいて絶滅危惧IB類(EN)、国際自然保護連合(IUCN)ではさらに一段上の近絶滅種(CR)に指定されています。生息環境の悪化が進む中、地元の保護団体やアングラー有志による徹底したキャッチ&リリース運動や産卵床の保全活動が続けられており、北の大地におけるシンボルとして極めて慎重な共生が模索されています。