実は逆効果?エアコンホースキャップで水漏れする原因と失敗しない防虫対策

実は逆効果?エアコンホースキャップで水漏れする原因と失敗しない防虫対策

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防虫対策として良かれと思って取り付けたパーツが、なぜ室内機からの水漏れという重大な住環境被害を引き起こすのでしょうか。空調機器の排水構造を紐解くと、そこには構造上の明確な理由が存在します。

冷房や除湿運転時、エアコンの室内機内部にある熱交換器(アルミフィン)には、空気中の水分が結露して大量の水滴が付着します。この水は「ドレンパン」と呼ばれる受け皿に溜まり、重力の働きによって傾斜のついたドレンホースを通り、屋外へと自然排水されます。通常の稼働で1時間に1リットル〜2リットル以上の結露水が排出されることも珍しくありません。

問題は、排出される液体が純粋な水ではない点にあります。エアコン室内機が部屋の空気を吸い込む際、空気中に浮遊する微細なホコリ、カビの胞子、油煙、ペットの毛などを巻き込みます。これらが結露水と混ざり合い、ドレンホースを通る過程で泥状の「スライム(バクテリアの代謝物によるヘドロ)」へと変化します。

ホース先端に目の細かい防虫キャップを取り付けていると、このヘドロやホコリが先端のメッシュ部分に引っかかり、数カ月から1年ほどの間にフェルト状の膜を形成します。出口を塞がれた結露水はドレンホース内を逆流し、ドレンパンから溢れ出ます。その結果、ある日突然、室内機の送風口からポタポタと水が滴り落ちる、あるいは壁を伝って床一面に水が溢れ出すという最悪の事態を引き起こすのです。

家電修理を手掛けるサービスエンジニアへの取材によると、夏季に寄せられる「エアコンの水漏れトラブル」のうち、約2割から3割の現場で防虫キャップの目詰まり、またはドレンホース内の異物堆積が確認されています。虫の侵入を警戒するあまり、住宅設備としての基本機能である「完全な排水」を犠牲にしてしまうケースが後を絶ちません。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。