あつ森「母性あふれる彫刻」本物と偽物の見分け方!舌の罠と歴史の真相

あつ森「母性あふれる彫刻」本物と偽物の見分け方!舌の罠と歴史の真相

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この作品を深く知る上で外せないのが、ぼせいあふれるちょうこく元ネタである古代青銅彫刻『カピトリーノの牝狼(Lupa Capitolina)』の数奇な運命です。現在、イタリア・ローマのカピトリーノ美術館に大切に保管されているこのブロンズ像は、ローマ建国神話の象徴として世界的に知られています。

神話によると、好色な王によってテヴェレ川に流された軍神マルスの双子の息子、ロムルスとレムス。岸に打ち上げられた赤子たちを発見し、乳を与えて育て上げたのが1頭の牝狼でした。後に兄のロムルスが初代ローマ王となり、都市国家ローマを建設したと伝えられています。

興味深いのは、近年の美術史研究が暴き出した「彫刻自体の出自」です。かつてこの狼像は「紀元前5世紀のエトルリア人による傑作」と信じられていました。ところが2000年代以降に行われた放射性炭素年代測定や鋳造技術の綿密な科学鑑定により、狼の本体部分は11世紀から13世紀の中世に鋳造された可能性が極めて高いという事実が判明したのです。さらに、狼の乳を飲む双子の赤子像に至っては、ルネサンス期の15世紀後半(1471年頃)に彫刻家アントニオ・デル・ポッライオーロによって後から追加された「合成作品」であることが定説となっています。

つまり、元ネタとなった実物自体が、時代の異なるパーツを組み合わせた「美術史上のハイブリッド品」という背景を持っています。ゲーム内でつねきちが偽物を売りつける対象としてこの像を選んだのは、開発陣による美術史への皮肉混じりのオマージュとも受け取れる非常に深い文脈が存在します。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。