クラッチヒッターの言葉の起源は、アメリカのメジャーリーグ(MLB)にあります。単にシーズン打率が高いアベレージヒッターや、本塁打を量産するスラッガーとは異なり、「試合の命運を左右する重大な局面で打てる打者」を特別視する文化から生まれました。
日本プロ野球(NPB)でも古くから「チャンスに強い打者」という表現が使われてきましたが、その基準として長年重視されてきたのが得点圏打率です。走者が二塁または三塁にいるシチュエーションでの打率は、分かりやすい指標としてファンの間でも親しまれてきました。
ただし、得点圏打率が高いからといって、必ずしも真のクラッチヒッターとは言い切れません。例えば、大量リードした展開での得点圏と、1点差を追う9回裏満塁での打席では、打者にかかる精神的重圧や投手の気迫が根本から異なります。真のクラッチヒッターとは、プレッシャーが頂点に達するハイレバレッジ(高緊張度)な状況下でこそ、普段以上の集中力とパフォーマンスを発揮できる選手を指します。