日本の国石である翡翠。その多くは新潟県糸魚川周辺で採取されるが、それを歴史的に最も美しく昇華させてきたのは京都の文化だ。かつて朝廷や貴族たちが身につけた装飾品には、極上の翡翠が埋め込まれていた。2026年現在、京都国立博物館で企画されている特別展「王朝の緑」には、かつてない規模で国宝級の翡翠が集結し、連日長蛇の列を作っている。
「翡翠の魅力は、ダイヤモンドのようなギラギラした輝きではなく、内側から滲み出るような湿り気を帯びた艶にある」と、美術史家は語る。まさに、京都の陰翳礼讃の文化にこれほど合致する宝石はない。