PayPayが導入している本人確認プロセスは、金融機関や証券会社でも標準採用されているeKYC(electronic Know Your Customer:電子的本人確認)と呼ばれる厳格な認証基盤です。主に「運転免許証の顔写真撮影」による方式と、「マイナンバーカードのICチップ読み取り(公的個人認証サービス:JPKI)」の2種類が用意されています。
身分証の厚みや傾き、顔写真の立体照合を行うカメラ撮影方式では、偽造書類や静止画のなりすましを防ぐための生体検知アルゴリズム(Liveness Detection)が作動しています。さらに、送信される画像データは端末内には一切保存されず、金融機関同等のTLS暗号化プロトコルを介して、独立した高度セキュリティサーバーへ即座に転送・隔離されます。
とりわけ安全性が高いのが、マイナンバーカードのICチップを利用するJPKI方式です。一部のユーザーが誤解している「マイナンバー(12桁の個人番号)がPayPay側に取得・悪用される」という心配は、法制度上も技術的にもあり得ません。
番号法(マイナンバー法)により、民間企業がマイナンバーそのものを収集・保管することは法律で厳格に禁止されています。PayPayアプリが読み取っているのは、ICチップ内に格納された「署名用電子証明書」のみであり、マイナンバー自体は一切読み取っていません。暗証番号入力によって地方公共団体情報システム機構(J-LIS)の公的認証基盤と直接通信し、「この署名が改ざんされていない本物である」という暗号鍵の検証結果だけをPayPay側が受け取る仕組みです。そのため、第三者が途中で通信を盗聴しても、暗号化された証明書を偽造することは現代の暗号解読技術では事実上不可能です。