この楽曲を永遠のマスターピースたらしめている最大の要因は、稀代の作編曲家・穂口雄右による革新的なアプローチにある。当時の歌謡界の常識では考えられなかったフィラデルフィア・ソウル直系の16ビートと、ファンキーなスラップベースの導入。これこそが、哀愁を帯びたメロディラインと奇跡的な化学反応を起こした原動力だ。
いわゆる昭和歌謡の王道マナーに則りながらも、底流に流れるのは当時の最先端だったブラックミュージックの血脈である。生のホーンセクションと疾走するドラムスが織りなすグルーヴは、後のJ-POPが確立していく洗練されたアンサンブルの原型を作り上げた。穂口がスコアに込めた緻密な音楽的冒険は、今聴いても一切の古さを感じさせない。