主人公・田中京子を演じた木南晴夏の怪演は、本作を語る上で欠かせない最大のハイライトです。昼間はメガネに地味なスーツを身にまとい、社内では「AI」「機械」とまで揶揄されるアラフォー独身OL。しかし夜になると、エキゾチックなベリーダンス衣装に身を包み、レストラン「Sabalan(サバラン)」のステージで観客を魅了するダンサー「Sali」へと完全な変貌を遂げます。
木南はクランクイン前から徹底した筋力トレーニングとベリーダンスの基礎レッスンを重ね、しなやかで引き締まったダンサーの身体を作り上げました。指先の細やかなニュアンスから腰のアイソレーション、妖艶な視線の配り方に至るまで、プロ顔負けのステージングを披露し、多くの視聴者を驚愕させました。
背筋を丸めて縮こまる昼の田中さんと、胸を張り堂々と舞い踊る夜のSali。木南はこの極端な二面性を単なるギャグに堕とすことなく、ひとりの女性の切実な自己解放の物語として説得力豊かに演じきりました。