「田吾作」の本当の意味と語源|差別用語とされる理由と現代の使われ方

「田吾作」の本当の意味と語源|差別用語とされる理由と現代の使われ方

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「たごさく」を辞書で引くと、「田舎者、あるいは百姓をあざけっていう語」といった解説が並びます。漢字では主に「田吾作」または「田五作」と表記されますが、この言葉の根底にあるのは、江戸時代の農村社会における庶民の命名文化です。

江戸期、農民階層の男性には「作」の字を含む名前(作兵衛、作次郎など)や、「吾作」「五作」といった実直な響きを持つ名前が極めて多く見られました。これに「田を耕す者」を意味する接頭辞的なニュアンスが重なり、都市部である江戸の町人たちが、地方からやってくる農民や地方在住者を総称する代名詞として「田吾作」と呼び始めたのが直接の起源とされています。

江戸の町人文化は、洗練された「粋(いき)」を尊び、泥臭さや垢抜けなさを「野暮(やぼ)」として戯画化する傾向を強く持っていました。当時の狂言や歌舞伎、滑稽本といった大衆文芸において、田吾作は「お人好しで騙されやすいが、どこか憎めない地方の百姓キャラクター」として定着していきます。この段階では親愛とからかいが混ざり合った類型表現にとどまっていましたが、時代が下るにつれて言葉の持つニュアンスはより排他的な色彩を帯びていきました。

山田 真由
著者

山田 真由

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